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愛知県薬剤師会事務局

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TEL 052-953-4555
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2.不眠症

<不眠症とは>

不眠症には、寝付きが悪い「入眠障害」、眠りが浅くぐっすり眠れない「熟眠障害」夜中に何度も目が覚める「中途覚醒障害」、早朝に目が覚めてその後眠れない「早朝覚醒」などさまざまなタイプがあります。

1.不眠症の原因


不眠症の原因は、身体的な病気によるもの、精神的な病気によるものなどがあります。

主な理由として、次のようなことが考えられます。


・身体的な病気・・・身体的な病気に伴う「痛み、下痢、せき、頻尿、かゆみ、発熱」などが原因で眠れない。


・生理的な問題・・・海外旅行等の「時差ボケ」や交代制勤務で昼夜が逆転する生活をしていることによる。


・心理的な理由・・・環境の変化、精神的なストレスによる。


・精神的な病気・・・うつ病、精神分裂病などの精神的な病気がある。


・薬の服用・・・ステロイド薬、カフェインを含んだ薬、抗ガン剤等の薬をのんでいる。



2.不眠症の期間


不眠症になる期間もさまざまです。


・一過性の不眠・・・数日間、不眠になるタイプです。いわゆる「時差ボケ」や強い精神的ストレスによることが多く見られます。


・短期性不眠・・・1~3週間程度不眠になるタイプです。多くは、精神的ストレスや身体的病気によります。


・長期性不眠・・・1カ月以上、不眠が続き、はっきりとした原因がないという特徴があります。



<薬をのむにあたっての注意>

  • ・不眠のタイプによって薬が違ってきますので、医師の指示に従って服用して下さい。また、効果がないからといって、勝手に量を増やしたり、副作用を心配するあまり、服用量を減らしたり、のむのを止めたりしないで下さい。長期間服用していて、急にのむのを止めると、その後数日間の睡眠が不安定で浅く、短くなることがあります。服用の中止は、医師の指導のもと、計画的に行われます。
  • ・睡眠薬を服用したら、早く床について下さい。
  • ・睡眠薬を服用しているときは、副作用が強く出ますまで、アルコールを飲んではいけません。
  • ・睡眠薬には、全身の筋肉の緊張をほぐす作用があるため、転倒しやすくなり大腿骨骨折などを起こす危険があります。特にお年寄りの夜間排尿で起きたときなど注意して下さい。
  • ・他の薬を一緒にのむときは、必ず医師に報告して下さい。
<薬の種類とのみ方>

◆ベンゾジアゼピン受容体作動薬:


不眠症の治療薬は、主にベンゾジアゼピン系の薬が使われます。この系の睡眠薬は、繰り返し使用しても薬の効果が低下せず、適切な使い方をすれば、依存性を起こす心配もほとんどなく、誤って大量にのんでしまった場合にも命にかかわる危険性はないという利点があります。


薬の効果が現れる時間や効果の持続時間によって、次のように分類されます。


・超短時間型:トリアゾラム、ゾピクロンなど


すぐに薬の効果が現れて、作用時間が非常に短く、翌日の朝まで眠気が残らないのが特徴です。主に「寝付きが悪い」人に使われます。

-副作用と注意-

・この薬は、床につく直前に服用して下さい。

・アルコールと一緒にこの薬をのむと、睡眠の途中で目を覚ましたときに、自分がとった行動を覚えていないなどの記憶障害が強く出ることがありますので、飲酒は避けて下さい。


・短時間型:塩酸リルマザホン、ロルメタゼパムなど


薬の効果が早く現れますので、寝付きが悪かったり、ぐっすり眠れないなどの「熟眠障害」の人に使われます。精神的ストレスがあって眠れない、翌日の朝から活動しなくてはいけないなどの人に適しています。

-副作用と注意-

・この薬は、床につく直前に服用して下さい。

・アルコールと一緒にこの薬をのむと、睡眠の途中で目を覚ましたときに、自分がとった行動を覚えていないなどの記憶障害が強く出ることがありますので、飲酒は避けて下さい。


・中間型:エスタゾラム、ニトラゼパム、ニメタゼパム、フルニトラゼパムなど


薬の効果が出るまでに比較的時間がかかるため、「中途覚醒」や「早朝覚醒」が見られる人に使われます。日中に眠気やふらつきが現れることがありますが、不安や緊張が原因の人には適しています。

-副作用と注意点-

・眠気、ふらつき、反射運動能力の低下が現れますので、服用中は車の運転や危険を伴う作業は避けて下さい。


・長時間型:塩酸フルラゼパム、ハロキサゾラムなど


薬の効果がゆっくりと現れ、長い時間効きます。「早朝覚醒」のある人に使われます。日中も薬の効果が続いているためにふらつきなどが起こることがありますが、薬を中止しても不眠になりにくい薬です。

-副作用と注意点-

・眠気、ふらつき、反射運動能力の低下が現れますので、服用中は車の運転や危険を伴う作業は避けて下さい。


◆シクロピロロン系:ゾピクロン


ふらつきなどの副作用が軽減された、超短時間型の薬です。服用後、薬が唾液中に出てくるために口の中が苦く感じることがあります。朝起きたら、何度もよくうがいをして下さい。


◆チエノジアゼピン系:エチゾラム、ブロチゾラム


薬の効果がすぐに現れる短時間型の薬で、翌朝はすっきりとした目覚めが期待できます。副作用はほかの睡眠薬と同じように、眠気、ふらつき、口が渇くなどです。


◆イミダゾピリジン系:ゾルピデム


非ベンゾジアゼピン構造を持つ、薬の効果がすぐに現れる超短時間型の薬で、翌朝はすっきりとした目覚めが期待できます。副作用はほかの睡眠薬と同じように、眠気、ふらつき、口が渇くなどです。


◆その他
ブロムワレリル尿素、バルビツール酸系:これらの薬は、依存性があり、中毒を起こしやすいという欠点もあり現在ではあまり使われていません。

<日常生活の注意点>

1.規則正しい生活:不規則な生活は、睡眠を不安定なし、不眠のもとになります。毎日同じような時間に就寝して起床するように心がけて下さい。


2.カフェイン類:コーヒー、紅茶、緑茶など覚醒作用のあるカフェイン類を夕食後や寝る前に飲むと眠りにくいことがあります。


3.空腹感:寝る前に空腹で眠られないことがあります。そのようなときは、温かい牛乳などを飲むか、夕食の時間や量を工夫して下さい。


4.昼寝:昼寝をしたり、昼寝の時間が長かったりすると夜に眠れないことがあります。昼間の時間はなるべく体を動かすなどして夜に眠れやすくして下さい。


5.飲酒:少量のアルコールは寝付きをよくしますが、量があえると睡眠を浅くし、かえって不眠を強めます。寝る前の飲酒には注意して下さい。薬と一緒にのむことは絶対止めて下さい。




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