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16.メニエール病

メニエール病は内耳に何らかの異常が発生して、突然激しいめまいを起こし、めまいの発作を繰り返すたびに悪化する進行性の病気で、難聴や耳鳴り、耳の閉塞感や圧迫感などを伴います。


<内耳の仕組み・メニエール病の原因>

メニエール病の原因はまだ解明されていませんが、内耳に特有の内リンパ水腫という状態が見られます。


内耳には、体の平衡感覚をつかさどる「半規管」と「耳石器」、鼓膜から伝わってきた音の振動を電気信号に変えて、脳へ伝える「蝸牛」があります。蝸牛の内部は「前庭階」、「蝸牛管」、「鼓室階」に分かれており、蝸牛管と鼓室階は「外リンパ液」に、前庭階は「内リンパ液」満たされています。


内リンパ液の産生と吸収のバランスが何らかの原因で崩れ、内耳に内リンパ液が過剰にたまって膨れ上がった状態が「内リンパ水腫」です。


内リンパ水腫になると、膜の内圧が高まるために神経が圧迫されて「耳が詰まる」、「軽い難聴」という症状が起こり、この状態が長く続くと膜迷路が破れ、内外リンパ液が混ざりあって感覚細胞が刺激を受け、めまい、難聴、耳鳴りなどが起こります。しかし、内リンパ液が流出して内圧が低下すると、破れた部分が癒着して塞がるため症状が治まります。メニエール病ではこの一連の過程が繰り返されます。



<メニエール病の症状>

メニエール病の症状には、次のような特徴があります。


1.回転性のめまい・・・・・ 自分もしくは周りの景色がぐるぐる回る激しい回転性のめまい。
吐き気、嘔吐を伴うこともあり、めまい発作は約30分から数時間続き間隔・頻度も一定しない。


2.耳鳴り、難聴 ・・・・・初期には、めまい発作時や発作前に耳が詰まった閉塞感や圧迫感を感じることがあるが、めまいを繰り返しているうちに、耳鳴り、難聴を伴うようになる。
難聴は、はじめ低い音から聞き取りにくくなることが多く、発作をくり返すうちに、中音域、高音域の音も聞き取りにくくなる。


3.吐き気、冷や汗・・・・・吐き気、冷や汗、動悸、悪心、嘔吐等の自律神経症を伴うことが多い。


これらの症状を何度も繰り返すことによって、聴力が徐々に低下していきます。一般に片方の耳に起こりますが、半年から10年程でもう一方の耳にも発症する人もいます。




<薬物治療法>

めまい発作が起こったときは、まず安静にして、発症のきっかけとなったストレスやトラブルの解消につとめ、発病早期のライフスタイルの健全化と適切な薬物治療が重要となります。


メニエール病は病態が内リンパ水腫であること以外、病因が明らかでないため、対症療法が中心となります。一般に病期、症状にあわせて吐き気や嘔吐を抑える鎮暈剤、制吐剤、精神安定剤、内リンパ水腫に対する利尿剤、内耳の循環改善剤、自律神経調整剤などが用いられます。また、発作が起きているときは、吐き気を伴うため内服剤が使えず、点滴か注射を行います。


◆めまいの発作を抑える


・鎮暈剤・・・・炭酸水素ナトリウム注、メシル酸ベタヒスチン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニドール


・制吐剤・・・・塩酸メトクロプラミド、ドンペリドン、マレイン酸ペルフェナジン


・精神安定剤・・・・ジアゼパム、ブロマゼパム、オキサゾラム、ロフラゼプ酸エチル、アルプラゾラム


・自律神経用剤・・・・トフィソパム、ガンマーオリザノール


・脳循環改善剤・・・・ニセルゴリン、酒石酸イフェンプロジル、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、塩酸ジラゼプ、メチル硫酸アメジニウム、塩酸ニカルジピン、ニコチン酸トコフェロール


・末梢循環改善剤・・・・ビタミンB12


◆内リンパ水腫改善剤


・利尿剤・・・・フロセミド、イソソルビド


・ステロイド剤・・・・ コハク酸メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン


早期に適切な治療がなされると予後は比較的よいのですが、10~15%は発作の再発、長期化が見られるます。発作が頻発化したり、発作の間隔が短くなったり、聴力の低下が見られるようなら内リンパ水腫の減圧手術を行ったほうがよいでしょう。


<日常生活の注意点>

メニエール病を予防するために、次のような点に注意しましょう。


1.ストレスを避ける・・・・十分な休息をとり、日頃からリラックスを図るようにしてストレスを避けましょう。


2.規則正しい生活・・・・過労や睡眠不足を避け、1日の生活リズムを作りましょう。




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