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Q9.潰瘍治療薬について教えてください?

: 現代病の1つといわれ大変多い病気です。胃潰瘍治療薬の説明をする前に胃潰瘍について簡単に説明しましょう。

胃潰瘍はなぜ起こるのでしょう。
食物が入ってくると、胃は酸やペプシンという酵素を放出して忙しく消化を始めます。
しかし、胃の粘膜からはぬるぬるした粘液が分泌され、胃液の攻撃から身を守っているので、胃自身は消化されないのです。
この攻撃と防御のバランスが崩れ、守りが手薄になると、胃は自分の粘膜を消化し始め、ひどくなると穴があき、出血することもあります。これが胃潰瘍です。
胃潰瘍治療薬で身近なものでは、キャベツに含まれるある種の成分が胃液にやられた粘膜の再生を促すといわれています。胃液の攻撃を弱めるタイプの薬として、昔から使われているのが重曹などのアルカリ剤で、これは胃酸を中和します。胃液の分泌を支配している神経の作用を抑制する薬もよく使われます。
現在、胃潰瘍治療薬の主流となっているのは、ヒスタミンH2受容体拮抗薬です。
喘息やアレルギーを引き起こすヒスタミンは胃液の分泌も促進しますが、従来の抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)では、胃液の分泌は抑えられませんでした。
ヒスタミンが結合する受容体が他の臓器とは異なるからです。そこで胃特有の受容体をふさいでヒスタミンが働けないようにしたのがこの薬です。

 このほかに、胃酸生成過程の最終段階であるプロトンポンプを特異的に阻害して、強力に胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬も使われます。
また、消化性潰瘍の原因の1つに、へリコバクターピロリ菌(グラム陰性桿菌の一種)が関与していることが明らかとなっています。この治療には除菌を目的とした3剤併用療法(例:プロトンポンプ阻害薬、2種の抗生物質)が行われ、治療効果をあげています。
H2受容体拮抗薬をはじめ、プロトンポンブ阻害薬の登場により、手術を必要とする難治性潰瘍も薬を内服するだけで治せるようになりました。

 潰瘍は心身のストレスが大きな原因の1つといわれます。薬の効果を期待するだけでなく心身の休養を心がけ栄養を十分にとり、規則正しい生活のリズムを心がけることが第1です。
自分の判断で薬の服用を中止することは再発の原因にもなりかねません。医師や薬剤師の注意をよく守り、薬は正しく服用しましょう。

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