12.インスリンの使い方
◎糖尿病とは
糖尿病は、インスリンというホルモンの作用が不足するために全身にいろいろな障害が次々におこってくる病気です。
インスリンは胃の後ろにある膵臓で作られ、血液中に送り出されるホルモンです。
インスリンの作用は、血液中の栄養素を全身の細胞に取り込み、エネルギー生産その他に利用する過程を促進します。
わかりやすくいえば、インスリンは食物が栄養となるための橋渡しをしてくれる作用をもちます。
◎糖尿病の診断
検査で血糖値が高いとき(朝の空腹時が140MG/D1以上、随時血糖値またはブドウ糖75G飲用後2時間血糖値が200MG/D1以上)は糖尿病と考えますが、これに糖尿病の自覚症状が加わればさらに確かです。
◎インスリンによる治療
◆ポイント1◆
自分の注射するインスリンの量(単位)、注射時刻を学びましょう。
◆ポイント2◆
自分で自分に注射する方法を覚えましょう。他の人のカを借りてはいけません。
◆ポイント3◆
インスリンを注射することから生じるあなた自身の生活、食事のあり方を主治医の指導で確立し、習慣にすることが必要です。
◎インスリンの保存法
◆ポイント1◆
現在使用しているインスリン瓶は常温(15~25℃)で保存します。保存用の予備は冷蔵庫に保存しますが、絶対に凍らせてはいけません。
◆ポイント2◆
短期間の旅行などの際には、旅行カバンの中に入れて携帯して差し支えありません。ただし、直射日光にあてたり、熱くしたりしないでください。
◎実際の注射のしかた
◆ポイント1◆
主治医や看護婦さんが、あなたが自分で注射をする方法を教えてくれます。
◆ポイント2◆
注射の針を入れる皮膚の場所は、3CMずつ(約指2本幅)毎回変えましょう。上腕、おなか、太ももというように注射する領域を移していきます。

◎低血糖について
低血糖とは血糖値が50MG/D1以下になる状態をいいます。
【低血糖の症状】
低血糖の症状は、手指のふるえ、冷や汗、動悸などが典型的なものです。
【低血糖になりやすいとき】
①食事の量が少なかったり、食事時間が遅れたり、また決められた食間食をたぺなかったとき。
②運動量や労働量が多すぎるとき、または空腹時やインスリンの効果の強い時間帯に激しい運動を行ったとき。
③インスリンの量が多すぎるとき、または勝手にインスリン量を増やしたとき。
④他の薬剤やアルコールを飲んだとき。
【低血糖の治療】
軽くても低血糖症状を感じたらすぐ、ブドウ糖か砂糖20Gまたは、それと同じくらいの糖質を含むジュースや清涼飲料(缶ジュース1本;200ML~250ML)を飲んで下さい。
あめ玉やチョコレートなどは溶けるのと吸収に時間がかかるので、緊急用には好ましくありません。
低血糖は早く処置するのがポイントです。