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15.インフルエンザ

かぜは主にウイルスに感染して、上気道(鼻腔から咽頭まで)に急性の炎症が起こる病気の総称です。炎症を起こしている部位により鼻炎、咽頭炎、喉頭炎等といわれます。かぜを起こすウイルスはライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなど約200種類にもおよび、このうちインフルエンザウイルスに感染した場合をインフルエンザ、それ以外のウイルスに感染した場合を普通感冒といいます。


インフルエンザは、例年、11月上旬頃から散発的に発生し、1月に入って爆発的な患者数の増加を示して1月下旬から2月にピークを迎えた後、急速に患者数の減少を経て、4月上旬頃までに終息します。



<インフルエンザウイルスの特性>

インフルエンザウイルスは、H蛋白(赤血球凝集素)、N蛋白(ノイラミニダーゼ)という2種類の糖蛋白で覆われており、核タンパク複合体の抗原性の違いから、A型、B型、C型に分類されます。


現在、ヒトの世界で流行しているのは、A/H1N1(ソ連)型ウイルス、A/H3N2(香港)型ウイルス、B型ウイルスの3種類ですが、これらのウイルスの違いで症状等に大きな違いはないといわれています。


<インフルエンザの症状>

普通感冒に比べ症状が激しく急激に現れ、集団発生するのが大きな特徴です。まず、悪寒とともに39℃以上の高熱が突然襲い、それに伴い頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状があらわれます。さらに上気道だけでなく気管支にも強い炎症が起こり、たんを伴う激しい咳がでる急性気管支炎の症状があらわれます。


インフルエンザは回復も遅く、症状が5日から1週間ほど続きます。全身症状が軽快しても咳が後々まで残ったり、二次感染を起こして肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎などの合併症を引き起こすこともあります。ごく稀ですが、子どもなどでは、心筋炎、心外膜炎、脳炎、ギランバレー症候群、ライ症候群などを発症することもありますので、早めに受診し適切な治療を受けることが必要です。

 
普通のかぜ
インフルエンザ
 原 因 ライノウイルス
アデノウイルス
コロナウイルスなど
インフルエンザウイルス
 症 状 平熱~37.5℃
呼吸器症状
鼻汁・咳・くしゃみ・のどの痛み
39~40℃の高熱
全身症状
頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感・鼻汁・のどの痛み
重症化
気管支炎、肺炎などを併発
小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発
感染経路 空気感染はしない(接触感染) 空気感染する→流行しやすい
<インフルエンザの予防>

予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。


インフルエンザに対する予防接種は、効果が現れるまで約2週間程度かかり、効果は約5ヶ月持続することとから、12月中旬までに接種をすまされることをお勧めします。2回接種では、2回目は1回目から1~4週間あけて接種しますので、1回目は早めに接種しましょう。


また、米国では重症化のおそれがあるとされるグループやワクチンの接種が出来ない者、医療従事者へのワクチン接種を補う予防薬として塩酸アマンタジンが使われることがありますが、我が国では抗ウイルス剤としての使用経験が少なく、また、アマンタジンを投与された患者の約30%でアマンタジン耐性のA型インフルエンザウイルスが出現するという報告もあることから使用されることは少なと思われます。


・日常生活での予防法
インフルエンザは、インフルエンザにかかった患者の咳などで空気中に拡散されたウイルスを吸い込むことによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、人混みは避け、特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れたり睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。罹患したとき重症化する可能性が高くなります。


また、空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなります。外出時にはマスクを利用したり、室内では加湿器などを使って適度な湿度を保ちましょう。


ふだんから栄養のバランスがとれた食事をとったり、適度な運動に心がけ、体力をつけておくのも大切です。


外出時のマスクや帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。






<インフルエンザの治療>

安易にかぜだと考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。


安静にして、休養をとり、特に睡眠を十分にとることが大切です。 お茶、ジュース、スープなどで水分を十分に補給しましょう。


なお、早めに治療することは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。


・治療薬


治療薬としては、それぞれの症状に応じた解熱剤、鎮痛剤、鎮咳剤を使って症状を緩和する対症療法が中心となります。


最近は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤も開発され、A型インフルエンザに対しては、アマンタジンが、また、インフルエンザウイルスが細胞から細胞へ感染、伝播していくために必要なウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼの作用をブロックすることによってインフルエンザウイルスの増殖を阻害する、A型、B型ともに有効なノイラミナダーゼ阻害剤(ザナミビル、リン酸オセルタミビル)の使用が認められています。これらを治療に用いる場合には、必要性を慎重に検討するとともに、治療としては早期に投与することが重要となります。


また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなりますが、このような細菌の混合感染による肺炎、気管支炎などの合併症に対する治療として抗生物質が使用されます。これらの薬の効果については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や体の状態により異なりますので、使用する、しないは医師の判断となりますので十分に医師に相談することが重要です。なお、市販のかぜ薬は、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。



 

  塩酸アマンタジン ザナミビル水和物 リン酸オセルタミビル
適応 A型インフルエンザ A型、B型インフルエンザ A型、B型インフルエンザ
投与法 経口 吸入 経口
投与開始時期 発病後48時間以内 発病後48時間以内 発病後40~48時間以内
投与期間 5日間(最長7日) 5日間 5日間
使用上の注意 腎機能が低下した高齢者等では、
減量投与
慢性閉塞性肺疾患や喘息
患者に使用する場合気道を
刺激する可能性がある
腎機能が低下した高齢者等では、
用量調整
副作用 不眠、興奮(このため1日2回の投与
は朝及び昼とし、夕方の投与は避け
る)、集中力の低下など
口や喉の腫れ、呼吸困難など 腹痛、下痢、嘔吐などの消化症状
耐性ウイルス 出現しやすい ほとんど出現しない 出現しにくい

厚生労働省では「今冬のインフルエンザ総合対策について(平成20年度)」と題してインフルエンザ対策に取り組んでいます。


以下厚生労働省のホームページより


・インフルエンザのインターネットホームページを開設


インフルエンザホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html

新型インフルエンザホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

厚生労働省のホームページにインフルエンザに関する情報等を掲載した専用のページを開設する。
内容としては、インフルエンザ予防ポスター(PDFファイル等)、インフルエンザ "Q & A"、施設内感染予防の手引、インフルエンザに関する特定感染症予防指針、インフルエンザ発生状況等(発生動向情報、様疾患報告情報、流行迅速把握情報、関連死亡情報)を逐次掲載し、更新する。

インフルエンザ流行情報の入手先


・インフルエンザ総合対策ホームページ(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html
・新型インフルエンザ対策関連情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
・国立感染症研究所情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
・厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp
・インフルエンザ情報サービス(中外製薬提供サイト)
http://influenza.elan.ne.jp/


(注)これらのホームページでは、インフルエンザ流行以外の情報も各種掲載しているので、是非とも参考にされたい。

〔参考資料〕

厚生労働省ホームページ「今冬のインフルエンザ総合対策について(平成20年度)」、「インフルエンザ Q & A」




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