う蝕・歯周病に関連する用語解説
用語 | 説明 | |
エナメル質 | からだの中でもっとも硬い組織。虫歯になると、まず一番外側のエナメル質に孔があく。 | |
象牙質 | 歯の中心部にあり、骨とほぼ同じ硬さ。 | |
歯髄 | 象牙質の中側にある部分で多数の血管や神経を含んでいる。神経と呼ばれる部分。 | |
歯周組織 | 歯 肉 | 歯ぐき。口を鏡でみたときに見えるピンク色の組織。 |
セメント質 | 歯の根の表面を覆っている組織。エナメル質に比べると柔らかく、しかも表面は粗造。 組成は約半分を無機成分のハイドロキシアパタイト、有機成分としてコラーゲン、糖タンパク、ムコ多糖を含む。 |
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歯根膜 | 歯と歯槽骨を結ぶ細い繊維の集まり。これにより歯がハンモックのように支えられている。 非常に敏感な感覚受容器があり、わずかな力が加わっても感じ取れる。また、噛む力を調節したり唾液分泌を促進したりする。 |
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歯槽骨 | 上顎骨および下顎骨に歯を支ている部分。 | |
歯肉溝 | 歯と歯肉とのわずかな隙間。健康な歯周組織においても深さ約1~2ミリの歯肉溝がある。 | |
歯周ポケット | 健康な状態でも1~2ミリの歯肉溝があり、この部分にプラークが付着したままだと、溝の中で細菌が繁殖し、溝が深くなる。この深くなった溝のことを言う。歯周ポケットは4ミリ以上で病的な状態とされ、放っておくと次第に深くなり、歯を支えている骨が少しずつ溶けていく。 | |
ペリクル | 最初に歯表面に沈着する、唾液成分。主にタンパク質の無構造な被膜で、エナメル質あるいはセメント質の表面にカルシウムイオンの架橋などにより付着し、研磨により除去されるが、すぐに再構成される。 | |
歯垢(プラーク) | 歯の表面についた白っぽいネバネバ。歯垢(歯牙細菌苔)とも呼ばれ、生きた細菌の大集団が苔のようにへばりついているもの(食べかすではない)。虫歯や歯周病の原因となる。プラークに唾液中のカルシウムやリンが沈着して石灰化したものを「歯石」というが、表面がザラザラしているのでその上にもまたプラークがつきやすい。水洗いでは除去できない。 | |
歯石 | プラークが石灰化して固まったもので、歯ブラシなどでは取れず、歯科医院で除去する必要がある。 歯石には歯の表面についた白色であまり硬くない「歯肉縁上歯石」と、歯周ポケット内についた黒色で硬く除去も困難な「歯肉縁下歯石」がある。 |
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プラークコントロール | 歯に付着したプラーク(歯垢)を取り除き、健康なバランスを保つように維持すること。 | |
スケーラー | 歯に付着した歯石を取るための道具。手用(手で使うもの)と機械式のものがある。機械のものは空気で動くものもあるが、大部分は先端が1秒間に25,000~40,000回ぐらい振動する超音波スケーラーが使われる。大まかな歯石を機械式スケーラーで取り、細かい歯石や歯肉縁下(歯肉の下に隠れている部分)の歯石は手用スケーラーで取り除く。 | |
シーラント(予防填塞材) | 虫歯になりやすい溝の深い部分をあらかじめ歯と同じ色をしたプラスチックでうすくコートして埋めてしまう処置方法。歯を削ったりすることはなく、虫歯の予防効果は90%以上。 | |
ミュータンス菌 | ラクトバチラス菌と同じく虫歯の原因菌のひとつで、これが口の中に多い人ほど虫歯になりやすい。砂糖を食べてネバネバした不溶性グルカンをつくり、他の細菌も巻き込んで歯垢(プラーク)を形成。その中で増殖しながら、強い酸を出して歯を溶かし始める。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には住んでおらず、親などから感染すると考えられている。 | |
ラクトバチラス菌 | ミュータンス菌と同じく、虫歯の原因菌のひとつで、これが口の中に多い人ほど虫歯になりやすい。虫歯の中や詰め物の隙間などに潜み、甘いものをもとに強い酸を作り出している。ミュータンス菌があけた孔をさらに広げて虫歯を進行させる菌。 | |
8020運動 | 「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」と平成元年に厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱した運動。親知らずを除く28本のうち20本以上自分の歯があれば、ほとんどの食物をかみ砕くことができ、生涯にわたる健康づくりにつながるとの趣旨。 |
〔参考〕
鴨居 久一:歯周病を引き起こす細菌について,東京都薬雑誌 Vol.24 No.1,2002
三上 周二:歯と口の構造,毎日ライフ Vol.33 No.8,13-17,2002
歯周治療情報センターホームページ:http://www.perio.co.jp/
九州大学病院 口腔外科ケア・予防科ホームページ:http://myamagu.dent.kyushu-u.ac.jp/