Q17.カルシウム剤について教えてください?
A : カルシウム剤は一般に虚弱体質やさまざまな病変時に骨や歯の発育を促進し、また妊婦や授乳婦の骨歯の衰えを予防するために使用されます。体の中でのカルシウムは、骨歯を作るだけでなく、神経や筋肉、血液凝固などさまざまなところにも利用され、99%が骨や歯をつくる成分として、残りの約1%が筋肉や血液、臓器の中に存在しています。
カルシウムの摂取量が不足すると血液のカルシウムが少なくなり主に骨から動員されるため次第に骨が弱くなり、骨折しやすくなったり腰痛などを起こすことがあります。
では、ふだんどれぐらいの量が必要なのでしょうか?
一般に成人1日あたりのカルシウム摂取量は 600mgといわれ、発育期の子供や妊婦、授乳婦ではさらに多くの量が必要とされています。カルシウムは食品から摂取することが望ましいことですが、病的にまた何らかの原因があってカルシウムの摂取が不足したとき時には、カルシウム剤を服用することによって補うことができます。
医師の処方のほかに薬局で医薬品として購入することができます。薬局で購入できるカルシウム剤には、ビタミンDなどその他さまざまな成分が含まれていることがあり、症状に合わせて服用することができます。
しかし、カルシウム剤を摂取することは必ずしも良いことばかりではありません。
便秘や胸やけ、過剰に摂取すると血液の中に通常以上にカルシウムが蓄積する高カルシウム血症になることがあります。とくに医師の治療を受けている人、腎臓が悪いといわれた人は注意が必要です。
近年、カルシウムの摂取量は減少傾向にあり、カルシウムの補給が推奨されています。逆に加工食品やインスタント食品の摂取量が増加し、これらの中にはカルシウムと結合し、カルシウムを吸収しにくくするリンが含まれていることが多いため、摂りすぎには注意が必要です。
バランスのよい食生活を心がけ、カルシウム剤を摂取するときには医師・薬剤師・栄養士に相談してから服用するようにしてください。