Q16.ドリンク剤のビタミンについて教えてください?
A : 規制緩和*により、ドリンク剤(栄養ドリンク)と呼ばれる商品が一般の店舗(コンビニエンスストアなど)でも簡単に購入できるようになりました。しかし、ドリンク剤がどのように位置づけられているかを正しく認識している人は意外と少ないのではないでしょうか。
現在、身近なお店でビタミンを主成分としているドリンク剤が販売されています。
そこで、ドリンク剤を上手に利用するためには、まずビタミンの種類と役割について正しく理解しておく必要があります。
ビタミンは生体内で、栄養素(糖質・脂質・たんぽく質等)が利用される際に働く酵素を助ける補酵素として、生理機能の維持や発育に関わっています。
性質によって水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類され、過剰に摂取すると水溶性は体外に排泄されますが、脂溶性は体内に蓄積されやすい傾向があります。
通常必要とされるビタミンの量は微量ですが、生体内では合成ができないため食物などからの摂取に頼らなければなりません。ビタミンが不足すると疲れやすい、体調を崩すなどの症状を訴えるようになります。
ドリンク剤は、疲労回復やスタミナ補給を目的に利用している場合が多いと思われます。しかし、人体に必要なビタミンの種類や量は年齢、消費エネルギー・疾患の有無などによって個人差が生じるため、他の栄養素とともに毎日の食事からバランスよく摂取することが理想的です。ドリンク剤によるビタミンの摂取は、あくまでも食事からの摂取を補助する形にとどめるようにしましょう。
*1997年3月に閣議決定された規制緩和推進計画において、「医薬品のうち人体への作用が比較的穏やかで、販売業者に使用上の注意などの情報提供の業務を課すまでもないものについて一般小売店においても販売できるように医薬品のカテゴリーを見直す」ことが盛り込まれた。
これにより、一部の医薬品に対して、販売規制がかからない医薬部外品への移行が1999年3月31日から実施された。