Q15.ビタミンD剤の働きについて教えてください?
A : ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨が作られる過程で大きな役割を果たしています。
①カルシウムの吸収を高める :
骨の材料となるカルシウムは、吸収率が非常に悪く、食品から摂取した量の20~30%しか体内に取り込まれません。しかし、ビタミンDを一緒に摂取すると、その吸収率が上昇することが知られています。これは、ビタミンDの働きによって、カルシウムが小腸の細胞膜に取り込まれやすくなるためです。
②骨の生成を助ける :
骨は絶えず破壊と再生を繰り返しています。これは血液中にある破骨細胞と骨芽細胞が関係しています。破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れ、骨の破壊に再生が追いつかなくなってしまいます。
さて、食品から摂取されたビタミンDは、小腸で吸収された後、肝臓や腎臓に送られ活性化されて初めて体内で有効なものになります。
そこで、医療用にあらかじめ活性化されたビタミンDが治療に使われています。しかし、カルシウムと同時にビタミンDを多く摂りすぎてしまうと、腸管での調節バランスが崩れ 高カルシウム血症となってしまうことがあります。自己判断で過剰に摂取することのないように気をつけましょう。
また、皮膚の組織中には、脂肪の代謝によって生産されるプロビタミンD(ビタミンDの前駆物質)が存在し、紫外線によって分解され、ビタミンDに変わります。適度の日光浴もビタミンDを得る身近な方法と言えるかもしれません。