Q14.ビタミンK剤について教えてください?
A : 血栓の治療・予防薬としてワーファリンを服用している方は、「納豆の摂取およびビタミンK剤の服用は控えてください」という注意事項にお気づきだと思います。
しかし「ビタミンK剤って何?」と思われた方も多いのではありませんか。
ビタミンKのKは <Koagulation>という血液凝固を意味するドイツ語に由来しています。
ビタミンKには血液が凝固する条件の一つである凝固因子を活性化するという作用があり、従来止血剤として広く用いられてきました。出血を止める目的で使用されるものですから、血液を凝固させない目的で服用するワーファリンの作用とは相反してしまいます。
それで併用するとワーファリンの効果がなくなってしまうので避けなくてはならないのです。
ワーファリンを服用している人が納豆の摂取を控える必要があるのも納豆菌が腸内でビタミンKを産生するからです。
1995年に新しいビタミンK剤が骨粗しょう症の治療薬として承認され、グラケーという商品名で発売されています。ビタミンKには血液凝固のほかに骨形成(骨をつくる骨芽細胞の働き)を促進する作用と骨吸収(骨を壊す破骨細胞の働き)を抑制する作用があります。この2つの働きにより、骨粗しょう症における骨量(骨の材料であるカルシウムとリンの量)の減少を抑えたり痛みを和らげる効果があるとされています。
人間のビタミンKの必要量は微量なので、栄養剤としてのむ必要はありません。
市販薬によって影響を受けることは考えられませんが、他科・ほかの病院を受診するときには注意が必要です。必ず、受診先の医師に「ワーファリンを服用している」・「骨粗しょう症の治療でビタミンK剤を服用している」ことを知らせてください。