Q11.薬を服用するときの水の量は、薬の効果に影響がありますか?
A : 薬を服用する際、飲む水の量により効果に影響をおよぼす場合があります。内服薬の多くは、適当量(コップ半分くらい)の水と一緒に服用することが望ましいです。中には、十分量(コップ 1杯以上)の水と一緒に服用することが効果的な場合と逆に水と一緒に服用すると十分な効果が得られない場合があります。
まず、十分量の水と一緒に服用することが効果的な薬の中には、下剤があげられます。
膨張性下剤(バルコーゼなど)は、消化管内で多量の水分を吸収して腸に刺激を与え、反射的運動の亢進をもたらします。
また、塩類下剤(酸化マグネシウムなど)は、腸管内では吸収されずに生体の水分を引き出す作用があります。このように作用するため服用時に水が少ないと狭窄部で閉塞を起こしたり、脱水症を起こすことも考えられます。
水と一緒に服用すると十分な効果が得られない薬の1つに、消化性潰瘍治療薬であるアルロイドGがあります。
この薬は、出血性潰瘍に対する止血ならびに粘膜保護作用のある粘調性の水溶液です。
内服した際に粘調度が高くなり、胃・食道粘膜に持続的に付着して作用するために水を飲んでしまうと粘調性が下がって効果が半減してしまいます。
内服薬の多くは、水を多く飲むことにより、胃腸管に接触する薬の表面積が大きくなるために吸収が促進されます。また、胃での溶解・吸収が水の服用が多いほど速やかに起こります。
したがって薬は少なくともコップ半分以上の水で服用する必要があります。
今回は、薬と水の量の関係を取り上げてみました。水の量が治療効果に影響をおよぽしていることがおわかりいただけたと思います。