スポーツ選手と薬
公認スポーツファーマシスト
近年、薬剤師の新たな活動のフィールドとして注目されているのが、アンチ・ドーピング活動の分野です。一般的にドーピングというと、スポーツの競技能力を高めるために薬物などを使用すること等を指し、アンチ・ドーピング活動の目的は、スポーツ固有の価値観を保全すること、すなわち競技者の健康を守り、フェアプレー精神を守り、人間性・社会性を守ることにあります。
日本におけるドーピング防止規則違反の大半は、禁止物質入りの市販薬やドリンク剤をそうとは知らずに服用してしまい陽性反応が出る、いわゆる「うっかりドーピング」であり、その防止には適切な情報提供と教育啓発活動が必要不可欠です。しかし、薬の専門知識を持たないスポーツ関係者や、市販薬にあまり詳しくない医師が「うっかりドーピング」から競技者を守るのは困難です。そこで、JADA(日本アンチ・ドーピング機構)と日本薬剤師会が協同し、日本独自の制度として「公認スポーツファーマシスト認定制度」が誕生しました。
スポーツファーマシストは、最新のドーピング防止規則に関する正確な情報・知識を持ち、競技者を含めたスポーツ愛好家などに対し、薬の正しい使い方の指導、薬に関する健康教育などの普及・啓発を行い、スポーツにおけるドーピングを防止することを主な活動とします。薬剤師の資格を有し、薬理などドーピングの情報提供における基礎事項に関する「基礎講習会」、毎年更新される禁止薬物リストの改訂ポイントを中心とした「実務講習会」、そして最終的な「知識到達度確認試験」と所定の課程を修めた場合に日本アンチ・ドーピング機構より認定される資格制度です。
現在、愛知県薬剤師会薬事情報センターでは全国の都道府県薬剤師会と同様に「ドーピング防止ホットライン」として、通常のお薬相談の他、スポーツ関係者からのドーピングに関する質問を受けています。今後全国に誕生するスポーツファーマシストが、全ての競技者の適切なコンディション管理の手助けをし、また、ドーピング防止教育に携わることで、スポーツを通した地域貢献、多職種連携へと発展していくことが期待されています。
→公認スポーツファーマシスト名簿(愛知県内)へ
関連項目
- 「2022年禁止表_糖質コルチコイドにおける禁止内容の変更」JADAのホームページへリンクNEW!
- 「吸入ベータ2作用薬のネブライザー使用の禁止に関する注意喚起」JADAのホームページへリンクNEW!
- 「競技会場等で静脈内注入および/又は静脈注射を行う際の注意喚起」JADAのホームページへリンクNEW!
- 「糖質コルチコイドの口腔内局所使用についての注意喚起」JADAのホームページへリンクNEW!
- 「アンチ・ドーピングにおける新型コロナウイルス対応に関するQ&A」(3月15日更新版)JADAのホームページへリンク
- ドーピング防止ホットライン(薬剤師会お薬相談室)
- スポーツファーマシスト検索(住所等から検索できます)
- Global DRO
- 禁止表 iPhoneアプリ
- 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構